たった1人のIT従業員、教育せず、放っておいて大丈夫なのか。

教育

ローカルのジュニアなITスタッフを1名か2名雇って、PCサポートなどをさせている日系会社は非常に多いです。

IT業界は転職市場が非常に活況なため、1名しかいないスタッフが突然辞めるという事は良くあります。

私もよくローカルスタッフがすぐに辞めてしまうという社長さんの話を聞いていました。

そんな中で私が感じていたことを書きたいと思います。

1.ITスタッフはすぐに辞めるという嘘

「そもそもすぐITスタッフは辞めてしまうのか?」という疑問に対しては、私はNoだと思います。

日系企業のローカルITスタッフが退職する際に、退職の理由について、あまり隠さずに教えてくれることが多くその中で印象的なのは以下の2つでした。

・学ぶ場ないので、成長できない。
・ITスタッフの仕事は大変なのに認めてもらえない。

この中で「学ぶ場がない」という言葉が悲しくて仕方なかったのを覚えています。

きっと、本人が学ぶ場がないと思いこんでしまってるという事です。

2.従業員が続かないデメリット

ローカルITスタッフを採用する際に、1年程度で辞められてしまうと、企業としての損失は大きいです。

例えば、人材紹介の会社に紹介してもらって採用する場合、人材紹介会社に紹介手数料をお支払いする必要が出ます。

仕事も1から覚えなければなりません。

従業員が続かないと、続かないことで起こるデメリットは次の通りです。

・人材紹介会社への手数料
・ノウハウが溜まらない
・ITスタッフがいない(または不足)期間が出来てしまう

ITスタッフがいない期間が存在すると、例えばその間にサーバー障害などが起きると最悪です。

自らが障害対応にあたる必要が出て本業に手がつかなくなります。

ITスタッフを育て、長くいてもらう事が非常に重要という事です。

3.どう教育し、長く働いてもらうか

自分の手を使わずに、従業員を教育する際におすすめの方法が5つありますので紹介します。

・年に数回あるIT系のイベントに参加する。(無償)
・製品のメーカーが行うセミナーに参加する。(無償)
・日本のITに勉強会を開いてもらう。(無償)
・研修企業が行うトレーニングに参加する。(有償)
・ベンダーを使って、案件を通して覚えてもらう。(有償)

最初に書いたのが一番分かりやすいです。企業向けに毎年、IT系の商品を紹介するイベントが東南アジアのどこの国でも存在します。

そのセミナーに参加させてあげるのです。通常は3日程度、イベントをやっていることが多いので従業員に、年に2回、行きたいイベントに1日参加させてあげるなどの余裕を取らせてあげることで、新しい商品や情報に触れさせてあげる機会を作ります。従業員の興味によって参加するべきイベントが変わりますので、「参加したいのがあれば教えてほしい」と伝えてあげるのが良いと思います。

次に製品メーカーが行う無償のセミナーに参加してもらう事です。多くの有名IT企業が無料で勉強が出来るセミナーを開いています。こちらも従業員に探させて参加してもらうのが良いと思います。

3番目に書いたのが日本のITチームに勉強会を開いてもらうという方法です。日本のITチームと現地法人のITチームで比較して、現地法人のほうが体制が整っている企業はあまりないと思います。

そこで、日本のIT担当にお願いして、ローカルITがより自分たちで業務を行える環境を作る支援をしてもらうという事です。英語が出来ないようであれば、良い勉強の機会として若手などを着けてもらうのもよいかもしれません。

4つ目が一番手っ取り早い方法です。どこの国でもIT系の研修を提供する会社が多々ありますのでそこを利用する方法です。一方で、有償になるため、参加の際の目標設定や理由を明確にすることが非常に重要になります。国によっては国に納める企業の税金の中に教育に関わる税金も納めていて、研修が費用補助対象になる事がありますので経理に確認を取りましょう。

最後に、私が実は最もおすすめなのが、何かの作業をする際に、業者を使いつつ、覚えさせる方法です。例えば、通信機器の設定をする際に、業者を利用すると、ベンダーは自分で設定して終わりです。そこを今後、簡単な保守などができるようにするために、最初の依頼のタイミングで簡単な切り分けトレーニングを入れてもらうことで、自社のIT担当に新しい機器に触れてトラブルシュート出来る方法を身に着けてもらう事が出来ます。

4.まとめ

このページでは、ローカルITスタッフが長く働けて、成長していける方法を紹介しました。ITスタッフは人数も少なく、上手く動いてあたり前という意識の従業員もいますので、同僚の要求レベルが高かったりします。

そんな中で少しでも、成長を感じながら、長くその会社で貢献していこうという方が増えるといいですね。

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