コストを落として、品質を保ちつつ、ローカルベンダーをうまく使おう。

ベンダー選定

東南アジアでITベンダー(インフラ系)を利用しようとすると、日系企業だけでなく、現地で起業している日本人が運営するローカル企業もあります。日系企業を使っている方も多いのですが、日系企業の中でも色々なパターンがあります。

私は、情報系の大学、大学院を卒業後、大手日系IT企業に就職し、3年以上の海外駐在員を経験しました。今は、日本の外資系企業で働いています。大学のころからで換算すると、ITの分野に15年以上身を置いており、そんな経験から、海外で働いている方達や海外で働きたい方たち向けに、そんな日本人としての最前線にいる方たち向けにIT関連の情報を発信して、お役に立てたらなと思っております。

今回は、COVID-19(コロナウイルス)の影響により、ベンダーを見直し、コストを落としたいという方も出てくると思いますので、長期的にローカルベンダーと上手く付き合う方法について書き愛と思います。在宅勤務で時間がある間に、是非、検討してみて頂けると良いと思います。

1.ローカルベンダーを利用するメリットは?

前回は、日系SIベンダーは高いのかという話を書きました。

日系のSI企業の価格は高いのかについて

海外に進出すると、安心感から日系SIベンダーを利用することが多いです。

上記リンクに書きましたが、実際は日系SIベンダーを利用する場合、当然、現地の金額よりも安くなるという事はなく、高めになってしまいます。

様々な状況で、ベンダーを見直すことがありますが、天変地異が起きた時は変える良い口実を作るタイミングですので、ローカルベンダーを利用することを検討するとよいと思います。

ローカルベンダーを利用するメリットはやはり金額です。他にも以下のようなメリットがあります。

・圧倒的に安い金額→日系SI企業の5分の1以下なんてことも。
・現地の業者を沢山知っている。→困ったときに役立つ。
・ローカルの客を知っている。→その国にあった投資配分を知る機会です。
・無理を聞いてくれることが多い。
・保守体制などをしっかりと説明してくれる。

簡単にまとめましたが、例えば、最後の保守体制などについては、実は、結構重要です。24時間サポート体制と言っていたが、ふたを開けてみたら、夜中に輪番で誰かが電話の転送を携帯電話に飛ばしていただけなんて言う事もあります。

これでは障害時に本当に対応してくれるのか不安です。日系企業はアウトソースも多く、正確に体制を把握していないところも多いですが、ローカルベンダーで中堅規模だと、意外と、自前で全て持っていてどういう体制になるか説明してくれるとこも多いです。

そんなローカルベンダーはどうやって見つけるのかなどについて、次に考察していきたいと思います。

2.ローカルベンダーを利用するのは意外と簡単

まず、ローカルベンダーをどう探すかです。色々な企業があるため、簡単には見つけられないと思います。

私は、以下の方法をお勧めします。

・口コミ
・ネット検索
・ベンダー検索サイト

中でも、日系企業の他社の口コミは非常に良い情報源です。日系企業のニーズをある程度把握している業者の可能性が上がるため、少々ローカルベンダーの中で高くても、日系企業を利用するよりも安いのであれば検討してみるのも良いと思います。

ローカルの担当のお勧めでも良いのですが、企業の人数が3名といったところを紹介してくる場合もありますので、少しだけ注意しつつ、良い業者なら使うのもありです。

次にネット検索ですが、これは「server implementation Singapore」や、「CCTV setting Thailand」などと調べてみましょう。上から3社くらい見て、声をかけてよいと思います。その時のポイントは、グローバル展開しているかです。グローバル展開している場合、もしかしたら、支店になっており、少しだけ割高な可能性があります。

その国だけでやっている企業を探してみるのが良いでしょう。

ベンダー検索サイトですが、日本でもベンダー検索ではマッチングサイトがあります。対応してほしい内容を検索すると、企業が紹介されるような仕組みです。東南アジアではまだ進んでいない国も多いため、まずは口コミとネット検索で対応するのが良いでしょう。

最後に、ローカルベンダーを決める際に、少しだけ意識したほうが良いのが、人数規模です。社員数3名などといった所はプロフェッショナルかもしれませんが、やはり体力と、支援体制が心配です。1名から50名程度の規模のオフィスであったとしても、対応してもらうITベンダーは15名程度は最低でも社員数のいる所を利用することをお勧めします。

3.ローカルベンダーと長期的な関係を築こう

ローカルベンダーを利用するうえで、大事なことは安かろう悪かろうで終わらないことです。しっかり長期的に育てていけば、非常に有効なパートナーになります。

例えば、「納期管理」、「ドキュメント作成」は日本人の意識と少しずれがあることが多いように感じています。そのため、納期に間に合わないことを平気で直前に言ってますし、ドキュメントは構築後の1カ月後なんてことも普通です。

日本の感覚であれば、納期は少なくとも2週間前くらいにはしっかり伝えてもらえて、ドキュメントも規模などによりますが、構築して1週間後には提出されるはずです。そういった意識付けは顧客側から働きかけないといけないかもしれません。

そこで、最初は、日系企業と分業して少しずつローカルベンダーに切り替えていくことも良いかもしれません。特に、IT機器は入れ替えのタイミングがあるため、少しずつ分解して切り離して直接契約にしましょう。面倒くさいから、1社にまとめているという企業は大きな損をしているはずです。

簡単には以下のように分解するのが良いと思います。

・ITインフラ(社内Network, Server)
・通信キャリア
・電話システム
・CCTV
・ドアアクセスシステム
・経理システム
・基幹システム等のアプリケーション

ITスタッフがいるなら、この分解も含めて担当させることで、技術力やプロジェクトマネジメント能力の向上も狙えます。

価格を落とすという事ではなく、おすすめは、落とした金額の分、システムや監視カメラの数を増やして、より安心なインフラ構築を目指すという事です。ベンダーの人件費に多くを払いすぎてしまうと、長期的に安定したインフラになりえない可能性が出ますので、注意しましょう。

長期的なITベンダーとの良い関係を作る方法については、以下にまとめてますので、見てみてください。

長期的なITベンダーとの良い関係を作る方法

4.まとめ

世界で様々な環境変化が起きている中で、今回は、ローカルベンダーを利用して、コストを大きく抑えようのをテーマにしました。全部で8回、ベンダーとの付き合い方について書きましたが、究極的にはローカルベンダーをうまく利用することで、コストを大きく落としつつ、良い関係を築けるのが最強だと思っています。

今後、ベンダーを選定する上で、皆さんにとって、よい情報源になればと思っています。

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