東南アジアでITベンダーを選ぶとき、どんなところを見て選ぶと良いか。

ベンダー選定

東南アジアでITベンダー(インフラ系)を利用しようとすると、日系企業だけでなく、現地で起業している日本人が運営するローカル企業もあります。日系企業を使っている方も多いのですが、日系企業の中でも色々なパターンがあります。

今回は、前回に引き続き、解説を続け、どんなベンダーがを選ぶのが良いのかを書いていきたいと思います。

1.日系で有名なITベンダーを選んだのに。。。

前回は、ITベンダーを選ぶときに注意すべきことについて書きました。

東南アジアでITベンダーを選ぶときに注意すべきこと。

日系企業の大手が悪いという話ではないのですが、こんなことがあります。

日本から来た出向社員が営業担当についたとします。例えば、まだ半年もたっていない状況だと現地のパートナーや現地の状況について把握しきれていない可能性もあります。日本でやっている事業と海外でやっている事業が全く同じだったら良いのですが、異なる場合は、素人に近い感じになってしまいます。

もちろんITリテラシーが高いため、キャッチアップも相当早いのですが、それでも、2年以上いるような方達と同じようにはやれないでしょう。

2.良い担当、良いベンダーを見つける際に、見たいポイント

前回は、注意するべき点を挙げましたが、その逆に、良いところを見つける部分も似通ってきます。一方で、決定的に異なるのは、注意することは上げられますが、良いベンダーは皆さんの好みがすごく出ますので、ITベンダー選びで大きな成功を得たければ、何社も経験してみるしかないです。

私からは、良いベンダーって、どういうベンダーかの一例を挙げたいと思います。
※良いベンダーというのが、ただ「安い」というのを求めている場合は、少し変わってしまうかもしれません。

a)営業担当、技術担当との相性が良い。
b)明瞭見積、会計である。
c)納期に対して、事前の説明がしっかりしている。
d)パートナーをうまく使っている。
e)見積、回答、納期が速い。
f)2年以上経験している人がついている。
g)保守体制について、しっかり説明がある。

3.良いITベンダーを見抜く際に、意識したいこと

海外でITをやっていると、必ずしも、日本と同じような感じでITベンダーを見ることはできません。例えば、語学力、現地のパートナーとの関係などまでアンテナを張っておかなければ、そのITベンダーと長期的に良い関係が気付けるかはわからないのです。

前章で上げた、ポイントについて、それぞれ開設していきますので、皆さんの参考になれば幸いです。

a)営業担当、技術担当との相性が良い。

「気持ちよく仕事する」ために、相性は非常に重要です。どんなに能力が高くても、どんなに他のお客様に気に入られてたとしても、結局、あなたとの関係が良くなければ意味ないのです。人間ですから、100人いて、100人と上手く付き合える方はいません。

人間とは不思議なもので、会話を始めてすぐに、相手との相性を見抜いてしまいます。相性が良いなと思ったら、まずはそこからチェックしていくのが一番良いでしょう。

気持ちよく仕事をするためには、最も重要な要素であるということで、これは、実は非常に重要であり、我慢してはいけないポイントです。

b)明瞭見積、会計である。

ITベンダーの見積もりで多いのが、「部材一式」みたいなのを書いて、その中に何が含まれているのかの説明が一切ない場合は、そのベンダーは選ばないほうが良いでしょう。

ITベンダーとそのパートナーの間ではよく時間短縮の為に「部材一式」みたいな書き方をする事があります。それが成り立つのは、現地のSIに非常に詳しく、どんな見積もり金額になるか知っているから成り立つのです。

そんなに多くの経験のない、あなたが部材一式と書かれてそれが妥当なのかわかるでしょうか。「明瞭に見積もりを作れるという事は、プロジェクトが既に、完了までしっかり見えている」という事です。見積もりが明確じゃないと感じたら、時間がかかってもしっかり説明を求めましょう。

見積もりが綺麗なITベンダーはプロジェクトの完了まで見えている可能性が高いです。また、金額がプロジェクトやるまで出せない部分も当然、しっかり事前に説明してくれます。

c)納期に対して、事前の説明がしっかりしている。

明瞭見積を作れる企業は経験が豊富な事が多いため、納期に対してコミットしてくれることも多くなります。例えば、ケーブル敷設をお願いする場合に、納期を1か月以内と言いつつ、発注までいつやるか決められない企業がいます。

お客様との関係にもよりますが、基本的には、あなたに対する信頼で、お金のかからない範囲で準備だけは出来ます。特殊な部材でない限り、納期は人の稼働だけなので、発注から1週間程度でケーブルリングはできるはずです。特殊な事情で忙しいなどがない限りは、納期をしっかり出せる所を選びましょう。

例えば、機材であれば、輸入するので3カ月程度かかることもありますので、簡単には比べられませんが、それも一次代理店との関係性がいかに良いかも関係してきます。納期は、お客様の業務インパクトが非常に大きいことがあるので、そこをしっかり意識して動いてくれるベンダーであれば、間に合わないという意思表示、それに対するアクションプランも適切に行ってくれます。

d)パートナーをうまく使っている。

海外でITベンダーをしていると、基本的に自社ですべてを行っている企業はありません。非常に重要なのは、現地パートナーと良い関係を築けているかです。例えば、「電話一本の関係」を築けているかも重要です。

今の時代、WhatsappやLINEを使ってのコミュニケーションが多いですが、どんなツールでも良いので、今必要な情報をその場で手にいれて、お客様と調整していけるスピード感を持っているかは重要です。

そんな関係を築いていると見抜けて場合は、現場で起こる些細な問題は、ITベンダーとそのパートナー企業で適切に対処してくれることも増え、あなたを困らせることも減ります。

e)見積、回答、納期が速い。

東南アジアの日系SI企業は、非常に忙しく、毎日地獄のような日々を送っている企業もあります。小さな案件は後回しになってしまったりする事も。全く余裕のないベンダーはすぐに切りましょう。あなたの案件の優先順位が低すぎると、納品も雑になりかねません。

もちろん、暇すぎるITベンダーも危険ですが、忙しすぎるITベンダーはもっと危険です。忙しいのに人を雇えない、辞めていくという根本的に大きな問題を抱えているかもしれません。

牛丼じゃないですが、「早い、安い、うまい」を実現するには、高速に案件を回転させないといけないのに、それが出来ていなくて、儲からない体質の企業と付き合うと、見積も当然、高くなります。効率よくあなたとの打ち合わせを進められている場合、打ち合わせの回数も減り、当然、単価も変わるわけです。

f)2年以上経験している人がついている。

私が海外で3年間、インフラ系のITベンダーで仕事をしていて、さらに今も3年程東南アジアで会社を運営していて思うのは、東南アジアでITインフラ系の業務をしっかり覚えるのに、最低1年強かかるという事です。

技術は日本でもどこでも学べます。一方で、良いパートナー、良い部下、良い上司を作っていくには、1年以上の時間がかかります。私も、パートナーを発掘し、上手く会社が回り始めたのは1年くらいしてからでした。発掘に半年。上手く動いてもらえる教育に最低半年かかりました。

良いパートナーというのは、すごくできるパートナーという意味ではなく、日本のやり方を分かって、お客様を一緒に幸せにしてくれるパートナーという意味です。現地では、袖の下文化がまだ残っていて、コンプライアンス的に問題になりかねない企業も残っています。

そんな情報は調べても絶対に出てきませんので、調べようがありませんが、サプライチェーンマネージメント(SCM)の観点でも、そこまでアンテナを張らないといけないのです。

g)保守体制について、しっかり説明がある。

ここは忘れがちですが、構築したら、安定的に運用していかなければなりません。ベンダーによっては、そもそも保守体制が弱くて、あまり説明してくれないところもあります。

対応顧客数が多くなってくると、ヘルプデスクを持ってるITベンダーも出てきます。24時間保守契約を結んだ時に、代表番号を出してこないようなITベンダーは少し考え直した方が良いでしょう。もちろん、24時間寝ませんという人もいますが、旅行も行かないし、病気もしないんですか?という事です。

ITベンダーで働いてて、なんでかわかりませんが、ここで障害起きるなよ!ってときに障害は起きます。どっかで神様が日頃の行いを見てるのかもしれませんが、日々、気持ちよく使うためにも、見積もりのタイミングで保守体制や方法について、説明することが明確にできるITベンダーを選びましょう。

4.まとめ

前回の注意点に続き、今回は、良いベンダーを探すために、見るべきポイントについて書きました。個人的には、これだけ見ても、良いベンダーは三者三様ですので、色々なベンダーを注意しながら選んで、ちょっとずつ試して、決めるのが良いと思います。もちろん、10社試したりすると、その間に任期が終わって帰任なんて事も起きますので、まずは2社か、多くても3社試して、良い業者を探せると良いですね。

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