東南アジアでITベンダー(インフラ系)を利用しようとすると、日系企業だけでなく、現地で起業している日本人が運営するローカル企業もあります。日系企業を使っている方も多いのですが、日系企業の中でも色々なパターンがあります。
特に、どんなITベンダーがいるかついてに、解説したいと思います。
1.ベンダー選びで失敗すると、発生するデメリットの大きさ。
海外に出ると、現地の進出時に必要になるのが、「会社の設立」、「人材の採用」、「オフィスの内装」、「ITインフラの構築」の大きく4つとなります。「会社の設立」や「人事の採用」については、比較的情報も多く、過去の仕事から、想像もつくことが多い。
オフィスの内装も同様で、日本のオフィスとそんなに大きく仕様が変わる事もなく、ベンダーの言っていることもついていける事が多い。ベンダー選びで重要なことについて、色んな角度から見て、何回かに分けて解説していきたいと思います。
2.どんなタイプのITベンダーがいるのか。
まず、今回はITベンダーにはどんなタイプがあるかについて書きます。日系、非日系のみならず、様々なタイプがあり、色々と説明していきたいと思いますので、以下のように分けました。それぞれについては、次の章で説明します。
b)日系SI系中堅企業
c)日本人が運営しているローカルSI企業
d)SIをメインにしていない日系企業
e)非日系(外資系)企業
f)現地ローカル企業
3.それぞれのベンダーの特徴
ここでは、各日系企業がどのような分類で、どういう特性を持っているかについて、私が知っていることを書きたいと思います。
a)日系SI系大手企業
日系SI企業のなかで、日本でも有名な大手企業が海外に展開しているのは皆さんが知っているところです。この大手日系SI企業の特徴として分かりやすいのは、グローバルでの一定レベル以上のサービス提供とブランドによる安心感でしょう。Dimension DataのようなNTTが買収した企業などもその中に入ってくるでしょう。
日本で利用しているから利用する顧客も多いです。顧客ベースが多いため、長期的に見てもITベンダーが廃業する心配もあまりないでしょう。あり得るのは、その地域から撤退というのは実際はありますが、それも日系企業が多いところであれば考えにくいです。
b)日系SI系中堅企業
日系企業でも、誰もが知っている企業だけでなく、地域では有名だったりするようなIT企業が進出しているケースもあります。大手以上にあたり外れが大きくなる印象ですが、良い人材を海外に出すような会社であれば、大手の日系企業よりも、現場の事を理解して、的確に指示をしつつ、お客様とのコミュニケーションにもたけている可能性を秘めています。
日本でコールセンターをやっていて、海外ではSIやITO(ITアウトソース)を中心に仕事をしているところも多いです。国によって非常にうまくやっている会社もありますので、日本の大手じゃないからと言って心配しなくても大丈夫な企業が多いでしょう。
c)日本人が運営しているローカルSI企業
日本人が運営しているローカルSI企業というのは、実は非常に多いです。海外経験が浅い方が利用するには少しハードルが高いと思いますが、現地に長くいる方であれば、色々な情報を得やすいため、利用している方も多いです。
現地でSI事業をやっている企業に特徴的なのは、広く浅くというよりは、割とメインの顧客が決まっていて長期的なビジネスをしている企業が多いです。SIという事業は儲かりにくいビジネスでもあるため、長期的にやっていける企業かは見る必要があります。
d)SIをメインにしていない日系企業
日本ではWebのシステム開発をやっているといった企業が、海外では多角化して、幅広くやっていることもあります。日本では、クラウドサービス、コールセンターや派遣業をやっているが、海外ではSIをやっている企業もあります。
この企業の傾向として、SIの知識については、日本をあまり頼れないので、現地の担当のレベルがサービスのレベルを大きく左右するといったことがあります。このカテゴリーのITベンダーは悪いという事ではなく、よりCapabilityの見極めが重要になります。
e)非日系(外資系)企業
ここのカテゴリは意外と出会うかもしれません。いわゆる、有名な大手外資系企業です。自社でプロダクトを販売しているところもあり、営業が大手企業にはアプローチをかけているところもあります。一方で、積極的に営業に来ることも意外とないと思いますし、海外進出で相談先として使うこともあまりないでしょう。
営業がいるかという点で行くと、実は日本人を抱えているところもありますので、ふとした時に出会う可能性ありがとうございます。日系企業よりも、仕組みが出来上がってる企業も多く、対応がドライに感じたりする人もいるかもしれませんが、お互いに責任分界点を理解して仕事が出来れば仕事のしやすいパートナーになる可能性もあります。
f)現地ローカル企業
最後に、別のページにまとめようと思っているのが、現地のローカル企業です。このカテゴリは、実は日系企業と仕事をしたいと思っている企業も多く、日本のルールを覚えようという意識の高い企業も沢山あります。日系企業は儲かるという意識が芽生えれば、その意識もさらに成長していくでしょう。
また、現地の事情に詳しく、価格としても東南アジアであれば、日本人が関わる企業よりも安くなることが多いでしょう。東南アジアでは、こういったローカル企業をうまく使う部分も無ければ、大きくITコストを落としていくのが難しくなります。そこについては、また別で説明したいと思います。
4.まとめ
今回、ITベンダーのタイプについて書きました。あくまで私の個人的な意見ではありますが、いまだに東南アジアの方たちと話して情報を収集し続けている中で感じていることなので、大きく外れていることも無いと思います。楽しく、長期的な関係を築けるベンダーを選定できることを望んでいます。
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