現地法人経験の無い方で、日本で成功されている方は、その方法を現地法人に持ち込みがちです。それが上手くいくこともあるので、ぜひ試していただきたいのですが、上手くいかないときや、上手くいっていても、一度、立ち止まって立ち返りたい方向けに、海外現地法人を経験し、MBAでの学習を通して学んできたことを合わせてここに、大事なことを書いていきたいと思います。
1.現地法人で働くときに起きる悲しい現実
現地法人で働く際に、日本との違いで、様々な問題に直面します。その中でも、現地法人で働く従業員については、日本と同じ接し方で上手くいかないなどで、現地の人を傷つけてしまうこともあります。
仮に、働き方で現地の法律に違反し、訴えられたことが世間に知れると、社会的な信頼を現地で失うだけではなく、日本でも大きな信頼を失うことにもなりかねません。最近では、コンプライアンスの位置づけに、サプライチェーンマネージメントといって、直接の顧客や従業員のみならず、材料の供給元となどの労働状況も監視することを求められる世の中になってきました。
現地法人で起こるのは、「成功体験が邪魔をする。」という表現を使いますが、日本での働き方をそのまま持ち込んでしまい、社員に無理をさせることや、はたらかせるべきではない時間に働かせてしまうなどして、現地の人たちの信頼を失うという事は、十分にあり得ることです。
そんな中で、NGOなどが米系スポーツ関連商品を製造・販売している企業がパキスタンの小さな子供たちを働かせている下請け業者の話を取り上げ、社会問題になったことがあります。
日系企業もどんどん世界進出していますが、気づかないところで、社会問題になる可能性があります。
2.現地法人で働くときに知っていると良い言葉
現地法人で従業員と働いていく中で、現地の人たちの幸せや、社会の幸福を考える必要があるというのは、多くの人が体感的に感じていると思いますが、過去に、松下幸之助さんも下のような言葉を遺しています。
企業は社会の公器である。したがって、企業は社会とともに発展していくのでなければならない。
企業は社会の発展に貢献する必要があり、従業員や社会と一緒に成長していかなければならないという事を意識する必要があります。なぜこれを書いているかというと、日本にいた時は、管理職前の社員だったにもかかわらず、出向社員になると、裁量を渡され、管理職になる人もいます。
そうなると、会社の意義や、従業員への考え方、利益を出すという事はどういう事なのかというのを真剣に考えて行く必要がでてきます。そんなときに、先人たちが考えてきた素晴らしい考えをいただくことで、少しでも早く立ち上がり、素晴らしいリーダーになっていくことが重要だと思っています。
3.継続的成長を続けていくために
最近、流行りの言葉ですが、Sustainable Development Goals(SDGs)でも言われているように、成長するためには、様々な社会的問題とも並行して向き合っていかなければなりません。まずは、日本から日本の考え方を持ち込むという意識を強く持ちすぎず、現地の方たちがいかに成果を出しつつ、社会に貢献できる企業を作れるかという事を考えながら仕事することが重要かと思います。
SDGsの中で行くと、「ジェンダー平等を実現しよう」や「人や国の不平等をなくそう」という点に近いと思いますが、会社の従業員が幸せに働き続けられる環境を作れるかを考え続ける姿勢を持つことが重要です。
4.まとめ
本日、サプライチェーンマネージメント(SCM)という言葉を使い、現地法人がいかに日本の企業にとっても重要であるかを書きました。現地のコミュニティーや従業員と一緒に成長することで日系企業が社会からより受け入れられていくことが出来るとよいですね。
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