海外で、日系SI企業を利用するべきか、批判覚悟で書きます。

運用保守

海外でIT企業を探す場合、日系SI企業を利用している方が多いと思います。一方で、ローカルってどうなの?っていう意見も色々聞いてきました。このブログを書いてから初めての問い合わせで頂いたのが、「海外の大手日系ブラックSI企業で働いてるんですが、記事にしてほしい。」との相談でした。その人の話はしませんが、私が色々経験してきた中で、日系SI企業を利用する際の、メリット・デメリットについて多くの方からの批判覚悟で私の意見を書きたいと思います。

言いたいことは、「長く付き合える良いSI企業を探しましょう」という意味です。

1.日系SI企業にいたから分かるメリット・デメリット

日系SI企業の顧客は日系企業である事が多いです。日系SI企業にいたため、私としては、日系SI企業を利用するメリットは大きいと思っています。一方で、メリットだけでは当然ないという事もありますので、その点についてまとめます。

日系SI企業を利用するメリット

まずメリットですが、以下の通り、ITチームとのやり取りが楽になるのが大きく、やはり中心は言語面です。また、コンプライアンス意識が高く、現場作業や情報の管理について比較的セキュリティー面で対策が取られている企業が多いです。

・日本のITチームとのやり取りが楽
・日本語でのやり取りが可能
・日系企業向けのソリューションを沢山持っている
・日系企業の他社情報を持っている
・コンプライアンス意識が高い企業が多い

デメリット

一方で、日系SI企業のデメリットですが、一番はコストです。また、多くの日系SI企業で慎重に仕事をしすぎるせいか、スピード感が無いという事も多いです。私が東南アジアで簡単なケーブル工事の見積もりを2日くらいで出していた時に、1か月くらいかかる企業もありました。

すべての日系SI企業がスピード感が無いわけではありません。私は日系以外の外資系企業もお客様に持っていましたが、よく見積もりの速さにおいて、一番早く見積もりを出してくれたと言ってもらえることが多かったです。結局は、担当営業が良いかどうかも関係はしてしまいます。

・作業単価が高くなりがち
・最新の技術動向について来れていない企業も
・ローカル社員の定着率が低く、ノウハウが溜まらない
・スピード感が無く、時間がかかることがある

2.良い日系SI企業を見極める方法。

日系SI企業を利用する上で、良い企業、ダメな企業がありますので、どんな企業がダメかから説明したいと思います。

ダメな日系SI企業

基本的に、ブラックな体質になっているSI企業はダメと言わざるを得ません。業務効率が悪く、社員が疲弊しているような企業が多いです。社員と話していただいたら、ある程度、どのくらいの余裕があるかわかるかもしれませんが、以下が3つくらい当てはまり始めると、すぐに見直ししたほうがよいです。

・スピード感がない
・営業とエンジニアがそれぞれ、他社案件を抱えすぎている。
・従業員が沢山やめているようだ
・多角化していて、IT以外の事もやっている。
・担当がすぐに変わってしまう。
・ドキュメントが遅い。または出てこない。
従業員が沢山やめているかは、自分だけでは分からないかもしれません。日本人コミュニティーなどに入っていると、色々な企業の情報が入ってきますので、そういう所で情報を少し収集してみるのもよいと思います。
多角化しているIT企業も出てきています。たとえば、オフィスのリノベーションに手を出している企業は、ITと同じではないため、完全に作業や設計が分かれているのか見たほうがよいです。同じProject managerなどが案件対応しているようであれば、そのベンダーを利用するかは少し検討したほうがよいです。
さらに、特に変えたほうが良いのが、ドキュメントが遅い企業です。ドキュメントは待っていても作られません。基本的には、小さな案件で構築が終わって1週間以内くらいに完成図書を出してこないような業者は見直しをかけることも検討して良いでしょう。

良い日系SI企業

全て、その逆ですが、社員が活き活き働いている企業かどうかは重要です。良い日系は前のめりに、お客様の業務が効率化したり、保守性が上がるような提案をしてくれます。お客様と一緒に成長したいという意識が高い社員が多いため、失敗することがあったとしても、前向きに一緒に対応できる気持ちになれる可能性が高いです。良い日系SI企業を探すときは、良いローカルSI企業も同時に探してみると良いと思いますが、その良いローカルSI企業の見極めについては、また別途書きたいと思います。

3.ケータイやインターネットと同じく、3年くらいでの見直しが重要です。

日系SI企業ですと、3年から5年くらいで人が入れ替わることもしばしば起こります。そんな中で、良い企業だと思っていたのに、いつの間にか付き合いが難しい企業になることも。担当についている人がいかに良くても、社内の体制は3年くらいで大きく変わることも多いです。

そこで、おすすめなのが良い企業であればドキュメントもしっかり提出されているはずですので、他に移ってもあまり心配ありません。3年から5年くらいのスパンでベンダーを見直すことで、定期的に安心できるベンダーを見つけていくことで、ストレスが少なく業務が出来ると思います。

また、ベンダーがすごく良ければいいのですが、変えないと、ベンダーを変えることがおっくになってしまいます。バリューチェーンマネージメントという観点からしても、あまりお勧めできませんので、少なくとも見直しやコンペは必ずやりましょう。

タイ、ベトナム、シンガポール、マレーシア、カンボジア、オーストラリアでは私が経験上知っている、割と良いローカル企業もありますので、将来的に紹介していきたいと思います。

4.最後に、長時間労働が普通になっている大手SI企業に働いている方へ

本記事を読んでいる方は、利用する側だけでなく、日系SI企業に働いている方も読んでいると思います。私は、もともとエンジニアですので、何回も楽しすぎて徹夜して勉強して事もありました。あなたが、その会社で自己コントロール感を持って仕事が出来なくなり、長時間労働になったら、もう転職しましょう。

ストレス負荷の高い状況で、長時間労働をすると、うつ病になったりすることもあります。80時間を超える労働を続けると体調を崩しがちになると思いますが、ITインフラ業界では今はだそれを大きく超える労働をしている人もいます。

お客様と自分の会社は大切ですが、それ以上に自分が一番大切だという事を忘れないでください。もし自分でコントロールできない環境が出来上がってしまい、社内の意識としてもあなたを支援してくれてると思えないときは、すぐにでも転職しましょう。

第二新卒エージェントneo

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