PCの購入は運用をしっかり考えて購入しましょう。

PC関係

現地法人で働くうえで、あまり調べる時間もないけど、実は非常に重要な要素に、PCの選定があります。無駄なスペックのPCや日系のPCにこだわり過ぎて大きな無駄が生じてしまう事も。

そんなPC選定について、日本国外で購入をする場合に、何を基準に選ぶのが良いかを記載します。

1.PCの購入方法を見直してみませんか?

日本の外でPCを購入しようとすると、日本では意識しなかった部分でつまずくことがあり、実際に躓くのは数年経ってからになります。

例えば、新しい拠点を立ち上げる際に、最初にPCを5台購入し、次に半年後に従業員を増やすために、PCを3台購入するとします。良く起こるのが、その時に一番安いPCを購入しようとして、メーカーをバラバラにすることです。3年後に従業員が20人を超えていて、メーカーが4つなどに分かれてしまう事も。

最終的に、気が付いたら、従業員数もPCの数も増え様々なメーカーから購入したため、問い合わせ先も異なり管理が大変なんて事になりかねません。

海外では、ITの専門の方が行くわけではないので、そういった視点ではなく、価格などの視点でPCを購入してしまって、結果的に運用面や価格面で失敗することもあります。

例えば、PCは4年から5年目に入るくらいで、突然壊れる可能性が上がります。特に、HDDや電源周りは壊れることも多く、電源が入らない、電源は入るけど、途中で止まってしまう等が発生します。

つまり、5年くらいのサイクルでPC購入を検討するのが良いということです。

2.PC購入に関する発生しうるリスク

PC購入を行う際に、5年後の事を考えて購入することが重要です。価格と実用面の両立を図る上で、5年後を想定していない購入という視点で、どのような影響があるのかを記載したいと思います。

以下の通り、3つのパターンがあると思いますので、それぞれについて解説します。

・安いPCにこだわりすぎる
・壊れるまで買い替えをしない
・日系メーカーにこだわりすぎる

安いPCを買い続ける

海外で営業所を立ち上げようとすると、PCの購入は必要になりますが、価格をなんとか抑えたいとしたいあまりに、長い目で見たら不要な問題に直面することも。簡単には以下のことが発生するかもしれません。

・スペックが足りないせいで、再購入やメモリー増設が必要になる。
・保守条件が悪すぎて、壊れた時にすぐ直してもらえない。
・メーカーがバラバラになり、メーカーへの問い合わせが煩雑になる
・メーカーがバラバラなせいで、トラブルシュートのノウハウがたまらない
特に、メーカーがバラバラなことのデメリットは壊れるまで気づかないことが多いため、最初の頃は気づかないことも多いです。

壊れるまで買い替えをしない

PCはそこそこ高い商品の上、社員全員に購入するため、壊れるまで買い替えをしないという方も一定数います。先ほど述べた通り、4年から5年くらいすると、壊れるPCが増え始めるのですが、壊れるまで買い替えをしないとどのような事が発生するかについて記載します。

・HDDが壊れてデータの復旧が出来なくなる
・スペアのPCがないせいで、暫定的な運用ができない
・古いOSを使う事によるウイルス感染の可能性の増加
・5年以上使っていることで、PCが遅すぎて社員の業務効率が上がらない
・古すぎるPCを利用することによる従業員のモチベーションの低下
一番心配なのは、ウイルス感染です。最近ではランサムウェアのようなウイルスで、データを全て暗号化してしまい、パスワードが欲しければビットコインで10万円払うように依頼されることも。

もし1台のPCに経理情報を入れてる状態であれば、泣く泣くお金を払って復旧するしかありません。

日系メーカーにこだわりすぎる

日本で仕事をしていると、日系メーカーのPCを使う企業も非常に多いため、海外でも同じように利用したいという方もいます。キーボードが日本語使用の物が良いという方も多く、日系企業にこだわるという事もあり得ます。

日系メーカーが悪いという事ではないのですが、こだわりすぎると、以下のような問題もあるかもしれません。

・保守体制が弱い国がある
・割高になることがある
・現地のベンダーがトラブルシュートのノウハウを持っていない
・日本でのスペックと異なる場合がある
日系メーカーにこだわるのは良いのですが、日本から指定されている機種しか動かないなんてことがない限りは、こだわり過ぎないことで、無駄な出費やリスクを下げることが出来ます。

3.PC購入をする上で考慮するべきこと

では、今までの話を踏まえて、PC購入はどうするべきかをまとめたいと思います。大きく分けて、「スペックで考慮する点」、「保守条件で考慮するべき点」、「デスクトップPCとノートパソコンのどちらを選ぶべきか」という3つの視点で記載します。

スペックで見るべきところ

ざっと上げると、最低限、以下を考える必要があります。必要最低限のスペックについては、日本から指定されるソフトを利用する場合もあるので、日本のITチームに確認しましょう。

10万円前後のPCであれば、普段使いでは問題ないでしょう。細かい選定の仕方は別途説明しますが、基本的にはPCの卸業者に相談するのが良いと思います。

A)   CPU:計算の速さです。
B)   Memory:計算するときに利用する記憶部分です。
C)   HDD、SSD:記憶容量
D)   マイクロソフトOffice license(additional Access, Visio, Project):マイクロソフトのライセンス関係
E)   Antivirus:アンチウィルスのソフト
F)   Encryption:盗難・紛失時の対策として暗号化するか。
G)   Other licenses(Adobe Pro, AutoCAD):その他、必要なライセンス
H)   Mouse, Keyboard:マウスパッドとキーボードです。
I)   CAL license for Windows server:Windowsサーバーのライセンスです。
J)   Patch code:3メーターくらいのLANケーブル

保守で見るべきところ

5年くらいのサイクルで考えたとしても、突然故障します。人生の中で、1度も壊れないという人はかなりの数いますので、壊れないと思うかもしれませんが、社員数が20人くらいになると、1年に1人くらいはPCの故障が起こる可能性が高いと思っていてよいと思います。

そんな時には、保守につても考えておく必要があります。以下の事を考慮してPCを購入しましょう。

A)   Maintenance(8x5xNBD, 8x5x4, 24x7x4)
B)   予備機の保持
C)   Warrantyの長期契約:4年か5年が良い。
D)   バックアップソリューションの購入
E)   資産管理ツールの導入
F)   最新のWindows OS
それぞれに細かく説明するのは難しいのですが、保守の条件、予備機を持つか、保証期間をどのくらいにするかなどは検討するべきです。また、重要なPCについては、PCの全体をバックアップするようなソリューションもありますので、PC提供業者に確認すると良いでしょう。
また、日本のITと確認して、資産管理ツールを導入することもお勧めします。数年に1回マイクロソフトにライセンスがちゃんと購入されているかの監査などがあったりするのですが、調べるのが大変だったりします。そこで、資産管理ツールを入れておくと、管理が簡単になります。
将来的なサービスの終了などを考え、Windowsは最新のものを極力選ぶようにしましょう。会計ソフトなどによっては、OSを指定している場合があるため、注意が必要です。

デスクトップとノートパソコンのどちらが良いか。

デスクトップを選ぶ理由は特にありません。例えば、持ち運びをしない社員でも、ミーティングするためには、持ち運べた方が良いです。また、ワイヤーロックさえあれば、悪意を持ってワイヤーを切らなければ持ち帰れません。ワイヤーロックを切るような場合、デスクトップかノートパソコンかはもはや関係ないでしょう。

次に、モニターについてですが、ノートパソコンでも、モニターを購入すれば、デスクトップと同じく、大きな画面で仕事が出来ます。例えば、メーカーによっては、ノートパソコンを置くドックも売られてますので、ベンダーに確認することをお勧めします。

デスクトップを購入するデメリットですが、停電の際に、PCが落ちてしまうという事があります。電源を急に落とすのはPCにとって良いことではないので、できれば、ノートパソコンを購入しましょう。デスクトップを選ばないといけない場合、UPS(無停電電源装置)というバッテリーを付けましょう。電源が安定しているシンガポールを除いては、年に1回か2回は落ちることもありますし、ひどいところでは毎週のように電源が落ちることもあります。また、電圧が安定しない国もありますので、そういう点においても、PCが長持ちさせることが出来ます。

4.最後に

PC購入について記載しました。PC購入は定期的なコストとして捉えることで、長期的な視点で業務をしやすくなります。日々の業務の中に定期的にPCの運用について考えることで、業務の効率化・無駄なトラブルシュートの時間削減が図れると良いですね。

 

おまけ:PC購入時に必要な英語

PC: PC, Personal Computer

ノートパソコン:Laptop, Notebook

保証:Warranty

資産管理:Asset management

予備機:Spare PC, Cold standby PC

・「前回と同じノートパソコンを、同じ保守条件でください。」
Please quote the same notebook I ordered last time with the same maintenance contract.

・「貴社から購入していないPCも保守の対象にしてもらえますか?」
Could you extend the maintenance scope to the PCs I did not buy from your company?

・「日本のITチームからもらった必要最低限のスペックを見せるので、見積もりをお願いできますか?」
Could you quote the right PC if I provide the basic required specification from IT team in Japan?

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