PCの廃棄について。暗号化するか、物理的に廃棄しましょう。

運用保守

海外で、IT担当がいないと、PC廃棄の際に、ローカルのIT担当に任せがちです。もう壊れていたり、古いから捨てても良いという感覚も分かるのですが、数点注意点がありますので、解説したいと思います。日本との違いも少し触れたいと思います。

1.捨てる際に、そのまま捨てることのリスク

日本にいると、PCはITチームにもっていくと、自動的に廃棄され、次の新しいPCが払い出されているはずです。海外に出て突然直面するのが、PCの廃棄どうするんだろ?っていう話ですね。

日本では、自社でPCの廃棄プロセスがあり、大きい会社であればそのために人を抱えることもできたり、アウトソース業者がたくさんいて、ある程度安心して任せることが出来ます。

一方で、海外に来て習慣の違う会社やIT担当がいない会社では、そのまま捨てちゃったりとか、単純に廃棄業者に任せることもあるかもしれません。そんなときのリスクは理解して進めるほうが安全だと思いますので、そのリスクについて述べ、対処方法を書きます。

・ごみ箱に捨てる。

単純な方法ですが、PCをゴミ箱に捨てることもあるかもしれません。国によっては、何でもゴミとして捨てて大丈夫な国もありますので、PCを適切に廃棄する慣習があまり強くない国もあります。普通に捨てたら、次のリスクがあります。

・HDD、SSDのデータが読み取られてしまう。
・売られてしまう事も。
・どこかで使いまわされてる可能性。
上記の中で一般的に、日本で懸念されそうなのは、そもそもの業務データが読み取られる可能性です。故障してもうデータが見えないと思って捨てたとしても、小さな故障は実は復元できることも多く、やろうと思えばデータを復元できることも。ましてや企業が廃棄するデータですから、重要な機密事項が入っていて、英語で翻訳なんてされていると、もしかしたら、非常にリスクを抱えることになるかもしれません。
また、何でも捨てられるような国では、ごみをそのまま分別して、生活費の足しにしてしまうような人も実はいます。この場合、どこかで使いまわされる可能性もあり、データが復元されたりと、同じようにリスクを抱えます。

・廃棄業者にもっていかせる。

少し安全に対応するために、廃棄業者を利用する事もあります。廃棄業者は日本でも問題になりましたが、必ずしも安心できるわけではありません。データ廃棄については、業者側で必ずしも、適切に処理されているかを担保できるかわかりません。SCM(サプライチェーンマネージメント)と言われ始めた昨今、自社のデータの廃棄も、確実に終わっていることを確認する必要が出てきます。

以下、説明した通り、廃棄業者利用時のリスクです。

・データを廃棄してくれるかわからない。
・再度利用される可能性がある。

2.対処法は3つ

単純に廃棄することは、リスクがあることが分かったと思いますが、わざわざ廃棄にコストをかける必要もありません。以下、PC廃棄時の対処方法について解説します。

・自社で物理的に破壊し、廃棄業者に渡す。
・PCのデータを暗号化して廃棄業者に渡す。
・データ消去業者に依頼する。
上記の中で、一番のお勧めは「自社で物理的に破壊し、破棄業者に渡す。」です。HDDはデータが破損しないようにかなり頑丈にできています。穴をあけるのも大変ですが、Discさえ壊してしまえば、確実に復元できません。
次に、PCのソフトによっては、無償で暗号化できる機能が付いています。
例えば、Windowsだと、Bitlockerというツールがライセンスの上位ビジネス向けだと標準で搭載されているため、暗号化も簡単に行えます。HDD自体を再利用されてしまうリスクはありますが、データを盗まれるリスクは小さくなります。
データ消去業者に依頼するというのは、有償になるため、お金があり、信頼できる業者を知っている場合にのみ利用するのが良いと思います。

3.PC廃棄の場合、必ずやるべきこと

次に、廃棄する際に、どの方法をとっても、廃棄時にしておくべきことがありますので、以下、まとめます。

・Disposal documentを作る、もらう。
・実際にどう廃棄を行っているのかを見る。
・廃棄中、廃棄後の写真を残す。

まずは廃棄したことを管理するDisposal documentの管理を行うという事です。このPCが再利用されないように、シリアル番号を控えておき、ちゃんと廃棄しましたよ。という情報をドキュメントとして残しておきましょう。また、廃棄するところをたまに見ることも重要です。廃棄は、何か新しいものを生み出さないので、エンジニアとしてもモチベーションの上がる仕事ではないため、手を抜いてしまう気持ちもわかります。最低限、廃棄を適切に行ってることを担保するために、廃棄中、廃棄後の写真をDisposal documentに含めることで、データの削除が確実であることをチェックできるようにしましょう。

おまけ:ちょっとだけ注意

ちなみに、従業員を信じるなとは言いませんが、廃棄のドキュメントを確実に残すことで、中古として販売されないようにしましょう。ローカル社員の給与は、日本人の10分の1なんてこともよくあります。ほぼすべての場合は大丈夫だと思いますが、日本でも起こり得る問題のため、物理的に廃棄した証拠を残す理由はそういったリスクを減らすという側面もあります。

4.まとめ

PCの廃棄についてまとめました。新しく立ち上げる拠点でなければ、海外に行って、最初にPCの入れ替えの仕事をするなんて言う事はありますが、一から廃棄方法について考えるのは時間の無駄ですしと、既存のやりかったに単純にならうのはリスクがあるかもしれません。そんな方にとって、有益な情報になれば幸いです。

おまけ:必要な英単語をまとめます。

・PCを暗号化する:Encrypt PC

・PCを複合化する:Decrypt PC

・データを盗まれる。:The data is stolen.

・PCを適切に廃棄する。:Dispose PC appropriately.

・ベンダーにPC廃棄を依頼する。:Ask vendor to dispose PC.

・HDDの廃棄中、廃棄結果の写真を残してください。:Please take pictures of dismantling HDD and the result.

 

他にも、保守関係などで情報をまとめてますので、「東南アジアのベンダーが行う保守について契約面も含めて解説します。」などを参考にしていただければ幸いです。

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