東南アジアのベンダーが行う保守について契約面も含めて解説します。

運用保守

保守を契約したけど、何にも何も起きないから、保守契約を切ったら機器が壊れた何てことありますよね。サーバーやネットワーク機器に対する保守契約について実際はどうなっているのかを私の経験と友人の情報から述べたいと思います。

東南アジアで経験した保守に関する情報や、今もベンダーとして保守をしている情報を集めた内容をここで解説し、より良い安定したインフラ構築について説明します。

1.保守費を払ったのに、ベンダーが動かないなんてことありませんか?

ある日系企業の話です。

インターネットがつながらなくなり、ベンダーに連絡したところ、原因は分からないとのこと。

ネットワーク機器について、連絡した当日オンサイトの年間数万円の保守費用を支払っているのに、来ることもなく、ベンダーが動いてもくれない。。。

電話越しでやり取りを聞いていると、機器の故障ではなく、PCがウイルス感染して、通信がしにくい環境になっている可能性が高いとのこと。

調べることに1日かかり、ベンダーに言っても、「保守契約がないからサポートできない。」とか、「費用をいただければオンサイトする。」とか言われて来てもくれない。

そんな状況でベンダーを変えたものの、実はあんまり変わらない。なんてことがあります。

機器が壊れた場合、機器を交換してくれるたとして、ふたを開けたら、実は貸出機を利用していたという事も。そうなると、新しい機器を持ってくるので、もう一回ネットワークを落とさないと行けず、従業員や顧客に影響を与えてしまう事があります。

そこで、まずはなぜそんなことが起こるのかを解説するために、保守契約にどんなことがあるのかを解説します。

2.保守契約はどんな契約内容があるか解説

お客様のITインフラを守る保守契約は非常に多岐にわたります。保守契約は保険みたいなものと考えている方もいますが、それは、機器が壊れた場合の保守契約であり、IT業界の中での保守契約としては非常にベーシックなものです。

そこで、知っておくとよい用語、ベーシックな保守、付加価値のある保守に分けて、説明します。

知っておくとよい用語

保守の中で、契約する時に、ITの一般的な用語が分からないと、契約の中身がよくわかりませんので、簡単に解説します。

見積もりに出てくる用語例としては次のようなものがあります。

「8x5xNBD sendback」:平日昼間電話対応、翌営業日機器配達

「8x7x4 onsite」:毎日昼間電話対応、当日4時間オンサイト

上記のような書き方をよく見ると思います。保守については、以下のルールで書いている業者が多いです。

「AAxBBxCC」という書き方なんですが、これは、「受付時間x受付日x対応開始時間」という感じで考えていただけるとよいです。

こんな感じで、保守の用語にはいろいろなものがありますので、簡単に一覧を作りました。

簡単に解説しますが、対応内容の部分で、オンサイトという言葉とは別に、4時間復旧という言葉があります。ITベンダーは基本的には復旧時間を保守契約に入れるのを非常に嫌います。理由は単純で、大きいお客様であればあるほど、復旧するために時間がかかる複合的な問題が増えるからです。

「平日9時ー18時」と書きましたが、ここは、ベンダーによってまちまちです。また、24時間という契約については少し注意が必要で、24時間契約なのに人をはっていないことがあります。その場合は、最初のうちは、たまに連絡をして、24時間連絡をする客である事をアピールしておくのも一つの手です。

平日という表現も、祝日が入る場合と、入らない場合があります。ベンダーとしっかり確認をしておくとよいでしょう。

さらに厄介なのが、対応内容の違いです。ここはベンダーによってかなり差が出ます。例えば、「機器を送るから、お客様で設定してください。」という保守契約もあります。オンサイトという契約だからと言って、そのベンダーの社員が来るとは限りませんし、設定情報をお客様にお願いすることもあります。

この中で最強の保守契約は「復旧契約」です。IT業界において復旧を保証することは、その複雑性からかなり難しいです。ただし、非常に大きな金額を動くようなサービスの場合は、高いコストをかけて、こういった契約をしている企業もあります。

ベーシックな保守

保守内容としてベーシックなものについて、以下に記載します。

・電話受付
・機器配送
・オンサイト
上記が、ベーシックな保守内容でしょう。何も言わずに契約すると上しかついてないこともあります。次に、付加価値のある保守を説明しますが、「えっ、そんなの標準提供じゃないの?」っていうことも。日本の手取り足取り、「お客様は神様です。」という感じの状況とは違う世界があるということですね。

付加価値のある保守

ここから書く内容は、一般的に保守契約に含んでいないなんてことがありますし、作業を求める場合は、追加費用が掛かる事もあります。

・設定情報(configuration)の管理
・暫定復旧用の貸出機の提供
・トラブルシュート契約
・ドキュメント更新
・定期オンサイト、レポート提出
ベンダーが新しい機器を持ってきても、設定情報を持っていなくて、設定できないなんていう事もあります。新しい機器が来るまで、通信ができる環境を作れないなんていう事もあります。トラブルシュートもお客様が行うべきなんてことも。
こうやって見てみると、保守契約はしっかり話しておかないと、実は沢山落とし穴があります。
保守対応後にドキュメント更新もしてもらわないと、情報が最新のものになりませんが、それも管理しない契約もあります。
また、追加費用は掛かりますが、そんな状況を改善し、壊れそうな予兆を検知するために、定期的にオンサイトする契約をし、3か月に1回など定期レポートを作ってくれるベンダーもいます。
付加価値だと思ってなかった方もいるかもしれませんが、しっかり意識して見積を確認する必要があります。

3.保守契約時に、考えないといけないのは結局これ

保守を契約する際に、何でも盛り込んでいるというよりはベーシックな保守しか入っていないことがあります。そこで、次のことを最低限、確認して契約を結ぶことで、リスクを減らせると思いますので、チェックリストに使っていただけると幸いです。

・保守の受付時間はどの程度がよいか。
・保守はオンサイトが必要か。
・機器設定の管理はベンダーにお願いするか。
・暫定機器の貸し出しをしてもらえるか。(機器の入れ替えが2回発生します。)
・リモートでトラブルシュートをしてもらえるか。その場合は、リモートアクセスツールの利用をするか。例えば、Team ViewerやLogMeInなど。
・オンサイトでトラブルシュートをしてもらえるか。
・ドキュメント更新はベンダーが行うか。
・定期オンサイトが必要か。
・定期レポートが必要か。

企業によって、状況が異なるので、出し入れしていただけると幸いです。

4.まとめ

保守について、まとめてみました。保守契約は、問題が起きた時にベンダーとの間でトラブルになりやすい要素なので、購入時に確認をするようにしましょう。今後、PCの保守や通信キャリアの保守についても、説明をしていきたいと思います。

 

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