設置しているCCTV、そのままでは意味が無くなってしまうかも。

CCTV、監視

東南アジアでCCTVの導入案件を50件以上経験してきて、導入する時点でも色々考えないといけないのですが、CCTV導入後に録画映像を利用するシーンは多々あります。起こりうる問題も非常に多岐にわたるため、簡単な例と、それぞれについて、簡単に解説したいと思います。

韓国、台湾、中国の企業が非常に多くのCCTVを導入していると思いますが、このページは機器を比較するサイトではなく、導入したCCTVをしっかり活用するために、会社のオペレーションにどういう作業を組み込むことが良いのかを解説するページです。

1.CCTVを導入した後で。。。

CCTVを別のベンダーから、私のところに入れ替えたいという相談をいただきました。お客様の設定を確認していたある日のことです。

CCTVのログイン情報をいただき、中を見ていたら、カメラを見ても、7台中5台しか動いていません。

お客様に確認しても、問題ないから特に確認していなかったとのこと。

抑止力としてのCCTVという事もありますが、実際に問題が発生した時の確認用としてのCCTVも非常に重要です。

このお客様知ってて直さなかったのかな?と思ったのですが、そもそも動いていないことを知らなかったようでした。

こんなことが、導入後に起きていても導入した側は気が付いていないことが意外とあります。

起こりうる問題と、その対処についてこれから記載していきます。

2.CCTV導入後に起こりうる問題

CCTVを導入した後で、私が起こりうる、もしくは実際に経験したもので確率の高い物をまとめました。

・ケーブルが断線
・カメラ向きの変更(何かによる)
・カメラのハング(停止)
・レコーダーのハング(停止)
・レコーダーの記憶容量不足(HDD不足)

・ケーブルが断線

東南アジアでは非常に多くあります。ケーブルを、ねずみや動物に噛みちぎられてしまうというケースです。作業中に切ってしまったり、ケーブル自体が古くなって軽く触れただけなのに折れてしまうなんていう事もあります。

ケーブルが断線すると、当然、レコーダーにデータが送られません。ケーブルから給電するCCTVが一般的ですので、映像自体も撮ることができません。

モックのCCTVを同じことになってしまいます。

・カメラ向きの変更(何かによる)

録画内容を見ようとしたら、カメラの向きが変わっていたという事も起こりえます。CCTVがどこにあるかは、従業員であれば、ほとんどの人が知っているでしょう。

会社のお金を盗むといった行為は、日本でもニュースになる事がありますが、内部犯行が非常に多いです。つまり、証拠を残さない手っ取り早い方法を社員は考えています。

そんな時に、カメラの向きを変えてしまうのです。

・カメラのハング(停止)

これは非常によくあります。カメラもパソコンと同じだと思ってください。もちろん、基本的にはほとんど問題ありませんが、気づかないところでPC同様に動きが悪くなったり、完全に止まってしまうこともあります。

こうなると、映像を見ていても、映像が見えるのに、気が付いたら、人が通っても画像が動いておらず、全く意味がないなんていう事もあります。

・レコーダーのハング(停止)

カメラの方について触れましたが、レコーダーの問題もあります。レコーダーもPCと同じです。しかも場所によっては、高温・多湿といった環境で、壊れやすかったり、止まりやすくなる環境下で使われている状況もあります。その場合、レコーダー自体が止まってしまう事もあります。

・レコーダーの記憶容量不足(HDD不足)

これも、たまに運悪く、あまりレベルの高くない業者にあたると起こります。

レコーダーは基本的には1カ月分や3か月分撮影して、残りは上書き保存されるのですが、設定がちゃんと入っておらず、上書き保存されていないなどの状態や、1か月分という設定にしていたのに、なぜか1週間分しかなかったなんていう事もあります。

レコーダーの記憶設定がちゃんと機能しているかも知っておく必要があります。

おまけ:落雷もありえるんです。

東南アジアでは、落雷が良く起こります。CCTVは外に設置する物もあり、雷が直撃何ていう事故もあります。

通常のIT機器は雷を受けるという事を想定していません。雷が落ちてきて、機器が壊れてしまうと、天災の場合、保守対象外のメーカーもあり、全ての機器を買い替えという事態もあり得ます。

そうなると、CCTVだけの投資ではなく、高いネットワーク機器に影響を与えると、それだけで数百万円単位で緊急の追加投資が必要になったります。

それが発生しないように、東南アジアではサージプロテクターといった、過電流を検知して、止める仕組みを持った機器もありますが、別で設置しなければならず、少し手間です。

そんな時は、パナソニック(Panasonic)のCCTVが良いです。CCTVに落雷が起こる想定をしており、カメラにつなぐネットワーク機器に機器から先に影響が無いようにハードウェアを作りこんでいます。東南アジアの多くの国で手に入るようになっていると思いますが、価格もローカルに合わせてきており、かなり下がってきております。

保守などの条件はそれぞれにしっかり確認する必要がありますが、ローカル企業に合わせようと努力しています。パナソニックはPBXという電話交換機で展開している国も多いため、実は非常に多くの国で、B2Cだけでなく、B2Bで展開しているため、そういった販売環境が作れているのです。

3.CCTVの導入時に検討する事

CCTVの導入時に検討する事としては、これが東南アジアの現実、CCTV設置はカメラの場所だけじゃないでもある程度触れましたが、メンテナンスを意識して入れることが重要です。メンテナンスというのは、安定して継続的に機器の機能を維持できる環境を作ることです。(SDGsみたいですね(笑))

導入前に検討することとしては、以下の通りです。

・問題発生時に通知する仕組みを持っているか
・問題発生時に自動復旧する仕組みを持っているか
・スペックが要件を満たしているか。

・問題発生時に通知する仕組みを持っているか

問題発生時にというのは、例えば、「カメラが止まってしまった。」、「レコーダーが何らかの理由で録画できなくなった」といった状況です。これを通知する仕組みとして、メールを自動で通知する仕組みを持っていることが出来る機種が多くあります。

CCTVの業者に要件として伝える時に、自動通知機能(auto-notification function)を有している物という事を説明し、どの場合に通知してもらえるのかの説明を受けましょう。

※お客様のメールサーバーにアクセスする必要が出るかもしれません。

・問題発生時に自動復旧する仕組みを持っているか

少し近い話ですが、問題発生時に自動復旧する仕組みがあります。例えばパナソニックのCCTVではカメラが止まってしまったことを検知して、再起動をかける仕組みを持っています。この仕組みは全てのメーカーで持っているわけではないため、パナソニックの差別化要素になっているかもしれません。
他にも、自動復旧機能(auto-recovery function)があるか確認をして、どの場合に復旧できるのかを知っておくのが良いです。

・スペックが要件を満たしているか。

おまけ:コストはどう考えるのか。

こんなに色々満たしたら高いCCTVになるというのは当然の事です。予算と得られるベネフィットはバランスを取る必要がありますので、もし高くなるのでベーシックなものを入れるという場合は、次に説明する導入後の運用についてを確認いただければと思います。

4.CCTVの導入後に実施する事

CCTVをやっと導入出来たら、ここからが本番です。下の事を最低限やっていないと、「いざっ」というときに、録画ができていなかったなんていう事になりかねません。

・IT担当、または総務の教育
・定期メンテナンス
・定期チェック

・IT担当、または総務の教育

最初に持ってきたのは、担当者の意識教育です。CCTV導入はIT担当か総務が担当すると思いますが、設置場所やメンテナンス方法等について、社内で絶対に情報を開示しないという意識付けが重要です。

そういう意味では、ITや総務の担当が入れ替わるのは会社にとっての大きなリスクになります。CCTVなんかは非常に重要のため、他の関係のない社員には触らせないことが大事です。
CCTVが動いていることを確実にするために、必要なことを全て行うように教育していく必要があります。

・定期メンテナンス

これが非常に重要です。レコーダーなんかは、ほとんど触らなく、リモートでログインして中身を確認するため、埃をかぶって、ファンが上手く動かなくて高熱な状態になる事も。ケーブルの差込口に埃が溜まるのもよくないため、レコーダーと、カメラが接続されている給電側の機器をきれいに掃除します。理想は定期チェックを推奨する1か月に1回ですが、3か月に1回でも構いません。再起動が増えると、故障のリスクも上がるため、定期的に止まる可能性などが下がるようにしましょう。

・定期チェック

定期的なメンテナンスというのは掃除を指しましたが、さらに、定期的に動いているかのチェックを行います。ここで、自動通知の仕組みを入れられないような場合、頻度は1週間に1回は確認がよいでしょう。自動通知ができるのであれば、月に1回程度でも構いません。

・カメラが動いているか映像を確認
・所定の時間まで遡れるか確認
作業自体は、1回当たり10分程度でできると思いますが、カメラが動いていることだけでなく、所定の時間まで遡れるかを確認します。実は、CCTVは記憶デバイスを複数積んでいて、途中で1台壊れるなんていう事があり、記憶容量が小さくなっていることなどがあります。そうなると、気が付いたら、遡れる時間が短くなっているなんていう事もあります。
定期的にチェックすることで安心して使えるようにしたいですね。

おまけ:CCTVにおいてベンダーがどこで儲けるか。

CCTVの導入はベンダーとしては、機器が非常に安くなってきているため、単発ではあまり儲かりません。そうなると、力のかけ方も、少しおざなりになることも。

そんな彼らは、ケーブリングや保守契約で儲けています。そのため、ベンダーにちゃんと動いてほしいと思う場合、保守契約などを結ぶことはベンダーと良い関係を気付くのには良い一つの方法です。

ちなみに、買いたたきすぎると、本当に動かなくなってしまう可能性があるので、コストとベネフィットのバランスはぜひ考えてみてください。

5.こんなCCTVもあります

今まで、パナソニックのCCTVについては触れましたが、実は、面白いCCTVもありますので2つほど紹介します。

1つはクラウドCCTVです。Nutactという会社が出しているんですが、これは深夜なんかも人や動物を検知して撮影画像と共にメールで通知したり、定期的な画像情報をクラウドサーバーに保存する仕組みを持っています。

クラウドにつながらないなんて言う状況があればメールで通知もされますし、1台や2台しか設置しないとこにレコーダー置くのもなぁ、なんて思ている方には良いかもしれません。

次は、隠しカメラです。ちょっと言いにくいのですが、オフィスの中でちょっと悪いことしているのは何となくわかっているんだけどなんて言うときに、証拠をつかむために、隠しカメラを入れる場合があります。

場所はエアコンの中などです。この辺はカメラ業者に相談するのが良いので、ご自身で調べてみましょう。

6.まとめ

今回は、CCTVの導入後に起こりうる問題について、導入前と導入後に対処するべきことを書きました。すごく簡単なので、せっかく高いお金を出して導入するCCTVですから、導入したメリットをしっかり享受できるように、参考にしていただければと思います。

もう少し知りたい方は、CCTVの設置する意味については、これが東南アジアの現実、CCTV設置はカメラの場所だけじゃないに解説を載せてますので、一度ご覧ください。

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